このレビューはネタバレを含みます
九龍城砦版「海に眠るダイヤモンド」では?という妄言はさておき、ヤクを売ろうとしてから理容室でブチのめされるまでのアクションシークエンスは、振り付けられたアクションといいそれに呼応するカメラといい全部ぶっ飛び過ぎてて楽しい。アクションがずば抜けているのはもちろんなのだけれど、少女が上を見つめている→チャンが同じく見上げる→ギュンフォンがやって来る→暴力男に突き落とされた少女の母をチャンが担いで下ろしてくるみたいな純粋に動きでドラマを語るシーンや、刺されて昏睡するチャンのベッドの下に血が滴り落ちるのと直後に肺腫瘍の悪化したギュンフォンが吐血するカットを重ねて二人の因縁を実際的な血で結びつける画面作りなど、アクション以外でも案外うまい所が見受けられるのが良い。