アツい、アツいぞ、これは。
あんまり映画を映画館で観て「もう1回観たい」とならないタイプなのだが、これは、これはもう何回か観たい。
最高。もう、最高。その一言に尽きる。
観たばかりで興奮冷めやらない。なんなんだ、これは。
1月にして、早くも今年の個人的上位ランクは間違い無しだと思える作品と対面。
香港が。ここに来て“香港”のアクション映画が、歴史を塗り替えてきたような、そんな興奮と衝撃と熱い友情とドラマを持ってきた。
もともと公開前から「なんか、スゴいのくるな」という気配は察知していた。
確実にハートを掴まれることが何とは無しにビビッときてた。
公開数日でレビューがワラワラ上がり出して評点も良くて周りで観た人も絶賛している。
これはもう期待値MAX状態で行ったわけだけど、その期待値MAXを裏切らない作品。と言うか、期待値がどうとかそんなことすらお構い無しで、底無し、天井無し。
ここ何年か、香港のアクション映画を手当たり次第観てきたのもあるけど、だからこそ、この作品から伝わってくる思いというか、この激動の香港の歴史の中で根付いて息をしている人々の呼吸というか、生活感と強い意志が堪らない。
香港の中国返還を背景に、1993年に取り壊された九龍城砦。
日本人のこちらからすると、その見た目も含めて、歴史と雰囲気がある中国特有のアンタッチャブルなエリアで、不法滞在者や違法なあれこれが渦巻く“社会の闇”みたいなイメージ。
だけども、ここを舞台に繰り広げられるアツい友情と、ここで生きてきた人たちの、その人達にしかない、そこにしかない、“アイデンティティ”が彼らを奮い立たせている。
法律や一般的なルールや秩序が及ばない九龍城砦。
中国の発展や治安を慮る側から見れば何とかしたい場所なのかもしれない。
ここで“何か”があって人が死んでも、外からはどうすることもしない。
どうこうしようにも、どうにもしようがない人が集まる場所、それが九龍城砦。
この激動の時代の中で、そうした色んな事情を持って、ここに流れ着く人がいる。この主人公も同じ。
だけれど、法律やルール、秩序が通用しないということは、逆に言えば、そんな“何か”があってどうにもしようがない人にも生きる道があるということでもある、それが九龍城砦。
ある人から見れば無法地帯だが、ある人から見れば唯一の生存場所。
この九龍城砦を巡る過去の因縁がある。
今は、色んなことを飲み込んで、絶妙なバランスで存在を保つ場所。
しかし、香港の政治的背景で、その九龍城砦の取り壊しも噂が出始める。
そして、過去の因縁もまた、この流れ着いた主人公によって、再び“寝た子を起こす”かのように目覚め始める。
中国における師弟関係と兄弟関係がこの物語を本当にドラマチックにしている。
過去の因縁は“師”の代のいざこざを生み、取り壊しやこの場所の利権争いは“弟”の方でバチバチする。
どちらも、この九龍城砦を守るため、自分たちの生きてきた証明を残すための戦い。
めちゃくちゃアツい。
この主人公がまさかそういう因果関係になっていくとは全く思ってなかったので、その衝撃。
そして、そんな背景があっても、育まれた友情で4人が繋がり、4人が人知れず強敵に立ち向かう姿はエモ過ぎる。エモ過ぎるってもんじゃない。
“ヤツ”がサイボーグが魔術的なことかと思ったら“気功”か。
もはや『ワンピース』のリアル“六式”か。めちゃくちゃアガる。超強い。
この男に、臆せず立ち向かい、どう切り崩すかが観てて、もう、ホント、激アツ。
サモハン、この人も今回はバチバチしまくってて、ガッツリやってることも驚き、というか、劇場で立ち上がりかけるぐらい度肝を抜かれる。
少なくともここに出てくる主要な男達は皆、田原俊彦よりカッコいい、と個人的には思う。
“今夜は家から出るな”。
ここを、九龍城砦を、彼らなりに、意地と愛と闘志で。彼らとみんなの、ここにしかない大切な“日常”を守り抜く戦い。
個人的にはエンドロールがすごく良かった。
あれだけ激しく描き切った後のこのエンドロールは、まさに彼らが“守りたいモノ”が詰まっててグッとくる。
『トワイライト・ウォーリアーズ』とはうまいこと言う。最高にアツい“黄昏”。
めちゃくちゃカッコいい“香港アクションエンターテインメント”。これは、また観たい。
※24年3月、映画オススメブログ、始めました。
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作品単発のレビューはここでやっているので、こちらは企画記事メインに挑戦したいと思います。
皆さん、時間がある時にでも見に来てください。
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