マグロ

ステレオ/均衡の遺失のマグロのレビュー・感想・評価

ステレオ/均衡の遺失(1969年製作の映画)
3.2
白黒モキュメンタリーSF。

テレパシーに関する研究を解説したドキュメンタリー調の作品。登場人物のセリフはなし、実験風景やイメージ映像的なものを淡々とナレーションで解説するだけの映画。

日本語で観ても何言ってるかさっぱりわからない。科学的だったり、精神的だったり、観念的だったり、複雑に構築されたデタラメ。
ハードSF小説の解説パートを延々読んでるみたいな気分に陥る。

クローネンバーグの初長編監督作なわけだけれど、ものすごく前衛的で驚いた。
これよりも前の短編2作品はどちらも男2人がおしゃべりするという「対話」の物語だった。

が、今作は語りの手法に対話は用いずに、あくまでテーマ・目的としてテレパシーによるコミュニケーションを描いているのが面白い。対話の可能性としては初長編にして既にかなり極地に行ってしまってる。
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