singer

アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師のsingerのレビュー・感想・評価

3.7
上田慎一郎監督には、本当、全幅の信頼を置いている。
ブレイク作となった「カメラを止めるな!」も、2作目の長編となった「スペシャルアクターズ」も、凄く面白かった。
TikTok向けに作られた、縦画面のショートフィルムも、楽しんで観ていたし、
この新作、「アングリースクワッド」も、絶対に面白いはずだと、期待タップリで観に行ってきました。

そして、その期待通りに、メチャクチャ面白かったです。

上田監督の映画は、小難しさや、感性に訴えるような、そういう部分が少なくて、
シンプルに楽しく、ハラハラ・ドキドキさせられ、映画の持つ面白さを、節々に感じながら、観進めて行けるのが、本当に素晴らしい。

今作も、物語の始まりから、とても入りやすかったし、タイトルバックも絶妙な所に挟みつつ、無駄の無いストーリー展開と、時間を忘れてしまう位の緊張感。そして、個性的で愛すべきキャラクターたちが、そこに絡んで行って、
「ああ、映画って楽しいなぁ」と、そんな事を、観ている中で何度も感じ、感動しながら、目一杯、楽しませて貰いました。

これから、この作品を観るという人の為に、詳しいことは、ここには書きませんが、
本当、期待して観に行っていい作品だと思います。

そして、キャスト陣も、みんなハマり役で素晴らしかったなぁ。

内野聖陽さん。
この作品の面白さの肝となる部分は、この主人公・熊沢が詐欺師に振り回されてく、
その部分に集約されていると思うんですが、本当に見事なお芝居で、演じられていたと思います。
人間の喜怒哀楽。
その輪郭が、くっきりと、わかりやすく伝わってくる。
そんな演技が、作品の面白さを、より高い所に導いていたんじゃないかと、そんな風に感じました。

そんな主役の演技を、脇を固める実力派の俳優さんたちが、しっかりと支えているのも印象的だったし、「いつもの上田ファミリー」を出演させず、新しい上田慎一郎監督の方向を、しっかりと示してくれたのも印象的でした。

上田監督は、実は出身が同じで。
自分の地元に、こんな素晴らしい映画監督が居て、面白い映画や、映像作品を作り続けてくれているのが、とても嬉しく、誇りに感じたりしていて、これからもずっと活動を応援しつつ、作品を楽しんで行きたい、そんな監督さんです。

今週末、地元で舞台挨拶と、サイン会があるそうなので、
地元の空気を感じつつ、また映画ファンからの、
声援の力を受け取ってくれる機会になるといいなぁと思いつつ。

これからも、いい作品を期待していたいと思います。
singer

singer