ノラネコの呑んで観るシネマ

ぼくとパパ、約束の週末のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ぼくとパパ、約束の週末(2023年製作の映画)
4.3
ドイツ西部に暮らす、自閉症の10歳の少年ジェイソンが、クラスメイトから推しサッカーチームが無いのは変だと言われ、毎週末にパパと一部から三部まで、ドイツ中のサッカーチームの本拠地を訪ねるサッカー行脚をはじめる。
本国で話題になった実話がベースだが、自閉症のジェイソンにとって、これは簡単なチャレンジではない。
彼は日々のルーティンや事前に立てた計画を変えるのを嫌がり、他人との身体的接触も苦手で、何より大きな音が大嫌いで、たびたび癇癪を起こす。
サッカースタジアムでの応援など、自分から地獄へ飛び込む様なもの。
案の定トラブル続きなのだが、ジェイソンは少しずつ、少しずつ変化してゆく。
変わるのはジェイソンだけではない。
毎週末彼に付き合うパパは、それまで全国を飛び回るファストフードチェーンのマネージャーで、親子の時間が無かった。
二人きりでの旅行を繰り返すことで、改めて息子の世界を知ってゆく。
「生まれた街のチームを推せばいい」とはいかにもサッカー大国らしいが、ジェイソンには色々譲れない拘りがあって、単純に強くてスタジアムが綺麗だからOKという訳じゃないんだな。
いわゆるいい話なんだけど、ジェイソンやパパの周りほとんど全てが優しすぎて、ちょい出来すぎに感じてしまうのは、こちらの心が汚れているからか?
パパの仕事の話も事実なら、あのハンバーガーチェーン日本進出して欲しいぞ。贔屓にするから。