#ベテラン 凶悪犯罪捜査班
前作が財閥御曹司の傍若無人を裁く勧善懲悪モノで、ナッツリターン事件などから民意を掬い上げた骨格だったのに対して、本作は司法の機能不全への怒りから、その民意が暴走して私刑にはしる怖さと複雑化した正義と対峙する捜査チームを活写。
SNSの普及で生活様式と価値観が変わった前作からの9年間がいい意味で作用している。熱血でゴリゴリと捜査するドチョルも、息子が年頃になり、それ相応の迷いや葛藤がつきまとうようになっているなど「変化」が見て取れる続編になっていてよかった。
ミス・ボンの飛び蹴りは躱されるし 笑
しかし、刑事ものとしては寧ろバージョンアップしていて、ミステリー調の趣きもアクセントになっていた。
最大の上げ幅はアクションで、カット割りのテンポの良さと、とにかく痛そうな〝肉感〟が凄まじく、事後に残る傷痕も痛々しい。
そんななかでもちょいちょい笑いのエッセンスを挟んでくる徹底した娯楽精神にも頭が下がる思いで、この手の作品に関してリュ・スンワン監督は極めてしまった感じすらある。