廣嶋玲子さんの原作による人気児童小説「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」シリーズを天海祐希さんの主演で実写映画化した本作は、幸運頼みだけではなく、努力する大切さを、ノスタルジックなファンタジーで描き出す。
新米教師の等々力小太郎は、赴任した小学校の子どもたちから不思議な駄菓子屋「銭天堂」の噂を聞く。
怪しげな店主・紅子が選んでくれる駄菓子を食べれば願いが叶うが、食べ方や使い方を間違えると大変なことになるとのこと。
やがて、銭天堂の駄菓子を買ったと思われる人たちの様子がおかしくなって、小太郎が密かに思いを寄せる雑誌編集者・相田陽子も暴走してしまう。
そんな中、小太郎はもう一軒の駄菓子屋「たたりめ堂」の存在を知る。
その店では店主のよどみが人々の悪意を集めて作った駄菓子を売っていた。
小太郎は大切な人たちを守るべく、紅子と共によどみを追うが、思わぬ事態に陥っていく。
「リング」「スマホを落としただけなのに」の中田秀夫監督がメガホンをとり、「ブルーピリオド」の吉田玲子さんが脚本を手がけた本作では、原作でも人気の高い「たたりめ堂」の店主・よどみを上白石萌音さんが演じ、映画オリジナルキャラクターの教師・小太郎役で大橋和也さん、雑誌編集者・陽子役で伊原六花さんが出演している。
私は東京下町の生まれ育ちなので、登場する「銭天堂」の佇まいが何とも懐かしくて嬉しくなってしまう。