「同じフランス人が迷惑かけてすまないな、とびきりの食材持ってきな!」って、仲卸業者の手の平返しが同情でいいの?
一級品の食材が手に入らないから星に手が届かないって話も興が冷める展開。
「グランメゾン東京」のメンバーも今作ではオマケ程度しか出てこないし、スペシャルで新加入した「窪田正孝」も劇場版で何か役目を与えられるのかと思いきやただの賑やかしに過ぎず、もうちょっと意味を持たせて欲しかった。
そもそも、ドラマ版は何が面白かったのかというと、つまるところ"仲間集め"の過程がワクワクしたのであり、自分勝手で無愛想で粗野な無人格者である「尾花夏樹」が、それでも料理の技術だけで人々を魅了し、様々な難題すら屈服させていく姿にカタルシスを感じたのだが、今作では残念な事にそれら要素がことごとく抜け落ちていたように感じた。
最後も、本物の「ミシュラン」の授賞式を忠実に再現しているようなセットや、中継映像のような画質を再現しているのだが、今作のクライマックスが店舗貸しのオーナーを説得するところにある為、一番大事な三つ星うんぬんのところが端折られた上での大団円のような演出はどこか尻切れトンボの印象。
わざわざ令和に復活させてまでやるには、結構力業な内容と感じざるを得なかった。
が、好きだった作品の完結作という事で大甘採点とする。