『ゴヨ』は美術鑑賞みたいな映画だった。美術館のガイドをする青年ゴヨはアスペルガー。同じく美術館で働く女性に一目惚れして、恋を知る。他人への偏見を減らせる映画な気がした。
アスペルガーだから恋をするのが難しいんじゃなくて、そもそも恋愛感情は心を乱されるもので、誰であろうとジタバタするのが当たり前。誰だって感情の高ぶりや憂鬱、狂気を体験する。一目惚れされた女性側も暮らしは楽々ではなくて、それもよかった。どんな人生であれ、それぞれの葛藤や心の乱れがあって当たり前。そんなことを教えてくれる映画だった。
美術館のシーンや絵画について話すシーンも多いので、感性も磨かれるようだった。中でもゴヨの家のダイニングルームが素敵。真っ赤な壁に大きな水色の絵画が飾られてる。派手な組み合わせなのに品があって、うっとりする壁だった。
音楽の雰囲気もストーリーのテンポも、美術館を軽くお散歩するみたいな気持ちになった。