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ある一生のゲルのレビュー・感想・評価

ある一生(2023年製作の映画)
3.8
エッガーという男の8歳から80歳までの人生を、雄大な自然と共に描いた作品。
大河ドラマのように時間がどんどん流れて行く構成。
物語は1900年頃から始まり、時代が急速に移り変わっていく。
そもそも1本の映画にまとめようとすることに無理があり、人生ダイジェスト感がかなりある。
原作の小説では細かい描写があると思われるが、映画にすると唐突に感じられるシーンがある。
後半で発見された遺体が誰なのかわかるまで、しばらく時間がかかった。
基本的に、エッガーが何歳のときに何があったのかはっきりとはわからない。
戦争や世界的な出来事から時代を判断する。
急に俳優が交代して二度驚く。
亡くなってもおかしくないような場面を何度もくぐり抜けて生き続ける、生命力の強い男である。
何度も悲しみを超え、時代が変容していっても、エッガーは変わらない。
開発によって山肌が削られたり、人工物が造られたりしても変わらずそこにある山のようだ。
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