1980年代の韓国映画でヴェネチア国際映画祭コンペティション招待された作品です。
「韓国映画100年史」によると1970年代のメロドラマの下位ジャンルとしてホステス映画が主流であったそう。
1980年代はチョン・ドファンの軍事独裁政権の中で、「3S政策」で国民を幻惑する恐ろしい政策に合わせて、性愛映画が氾濫。
その中の一本であり「土着エロ」ジャンルという単語の一つ一つが凄まじい時代の映画です。
その中でも国際映画祭で上映、注目される作品はあり、本作はそんな一本です。
土着性というところであれば、今村昌平監督も国際映画祭で受賞され始めるわけですから、アジア映画のそういった表現、ジャンルが注目されたということもあるでしょう。
本作は鬼に呪われて死にかけている息子を助けるために、巫女を雇い、その中の1人が祓うというホラー的な展開から始めります。
その土地のおぞましい記憶といったものも出てきますし、後の『ビー・デビル』や『コクソン』にも繋がるようなところもあります。
土着性をテーマにすると、その国のエグ味のある本質が見えてきたりしますが、残酷なカタルシスのある作品ですね。