スベン

デビルクイーンのスベンのレビュー・感想・評価

デビルクイーン(1974年製作の映画)
3.8
ブラジルのリオデジャネイロで裏社会を支配するデビルクイーン。ある時は悪魔のように冷酷で、ある時は女王のように堂々と部下たちを束ねる。そして仲間のドラァグクイーンたちには優しくチャーミング。

お気に入りの部下がヘマをしても「あんたは可愛いからなんとしてでも助けたい…」と言いつつ、他の部下には豚野郎と呼びつける率直さには笑ってしまった。それでもさすがギャングのボスという紙一重の行動にひやりとする。
デビルとクイーンの二つの顔の通り、声や表情、雰囲気ががらりと変わるのもすごい。しかし部下や取り巻きがいても埋められない孤独は、不穏な内部抗争と共に広がっていく。
デビルクイーンの水色の壁紙のおしゃれな部屋や原色のメイク、鮮やかな衣装。美しくも虚しいキャバレー歌手の悲哀。軽率で浅はかなチンピラたち。
野望と裏切りの騙し合いは最後の最後までどう転ぶのか分からず、面白かった。そしてある意味ではすっきり終われるのもいい。

本編とは真逆にオープニングはレトロでとても可愛い。それを思い出させてくれるパンフレットもおしゃれで読み応えがありました。
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