ツクヨミ

エフィ・ブリースト デジタルリマスター版のツクヨミのレビュー・感想・評価

1.3
自分の愛を貫き通したゆえにやはり批判され飼い慣らされた女性の運命。
ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品。特集"ファスビンダー傑作選"にて鑑賞、モノクロのファスビンダー作品ということで見に行ってみた。
まず本作はファスビンダーが文芸作品を手がけ近世の貴族女性を描いた作品、お見合い結婚で好きでもない金持ちと結婚させられたハンナシグラの半生を見ていく。
ファスビンダーでハンナシグラ主演ということで幾分か期待したが、"マリアブラウンの結婚"や"リリーマルレーン"とも全く違う抑圧的でかなり地味なストーリーに流石に退屈を覚える。金持ちの旦那は出張ばかりで留守のため、豪邸でほぼ1人でいるしかない妻の生活を見るだけなんて、本当になんとも言えなさすぎる。
ただやはり流石のファスビンダー、旦那では無く他に好きな人を見つけて愛を貫き通していく物語は芯が通ってる。その愛ゆえに不倫と取られて生涯を通し家に幽閉されたと考えると辛辣だが、語り口というかナレーションが喋りすぎだし、それなのに話も全然進まないときた作品で退屈が勝ってしまう。ファスビンダー的には全然ブレてないんだけどねぇ。
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