脚本が陽造さんで、タイトルが陽構造さん。
いや、だから何だってこともないんですが。
ともあれ広瀬すず劇場でしたね。お見事！
そっかぁ、中也の詩は「朝の歌」しか出てこなかったなあ。
全然関係ないけど、セキスイハイムのコマーシャルの阿部寛を何となく中原中也だと思ってました。例の帽子かぶってるしね。大昔、セキスイのCMに「家が建つ。家が建つ。僕の家ではないけれど」があったので、随分長く中也ネタを引っ張るんだなあ、なんて考えたてのね。でも今調べたら「家が建つ」はセキスイのCMではありませんでした。
まったく関係ないじゃん！
根岸吉太郎と田中陽造と、あと荒井晴彦はなんか似てるんだよね。
もちろん、田中と荒井は若松プロだから当然として、根岸も似てる。
ひろ子さん史観で言うなら、「探偵」と「セーラー服」と「Ｗ」だもんね。
本作にも出てた柄本佑・瀧内公美コンビによる荒井さんの例の映画があまりに酷すぎて、根岸さんもそうだったらどうしようと思ってたんだけど、杞憂でした。もう赤松さんの題字が出た段階で、「こりゃ傑作だわ！」って直感しました。
（まあ、荒井さんはその後「福田村」なんて大傑作書いたんで許す←何様だよ！）（←でもやっぱ福田村でも性愛至上主義だったもんなあ）
長谷川泰子はフィルマでも「眠れ蜜」だけは登録されてるんですね。
小林秀雄は、私の世代では現国の入試問題のラスボス。もう、どうかどうか、小林秀雄だけは出題されるな！ って思ってた。レトリックを弄ぶ達人。まあ、このDNAは共におフランスが大好きな蓮實にも遺伝してるんだけど。まあまあ最近でもこの両者のエピゴーネンは多いわな！
今でこそ、秀雄も重彥もすでに相対化されたけど、私が高校の頃は、「絶対正義」だったもんなぁ。
幸い私が本命で受験した大学の二次試験では、問題文が秀雄ではなく、三島が「遠野物語」に言及した「炭が『くるくると回りたり』」で、「やった！ そもそも俺、この文章前から知ってる！」ってなりました(1987年度入試問題）。
小林秀雄が金の無心に訪れる大学教授は、辰野隆でしたね。東京驛・日銀本店を設計した金吾さんの息子さん。
現実には師匠だと思うんだけど、友達みたいに描かれてました。
この作品は陽造さん脚本の言い回しと、それを体現する役者さんの勝利かな？
トリュフォーのあれとかさ、ゴダールのそれとかさ、そんな作品と較べたくなる邦画って、そうそうないよね？
「男二人と女一人で映画を撮って、トリュフォーを超えられたなら」みたいなセリフって、どの映画だっけ？ 城定さんの何かだっけ？ それも思い出した。
最近では、こういうのは「ドリカム編成」っていうんだよね。ってか、ドリカムもとっくに二人編成になったけどな！
木戸大聖さんという役者を初めて見ましたが、結構中也してた。
けど、「コキュ」の滑舌が悪くて、「古希？」ってなったけど、「コキュ」も「エピゴーネン」も、まあまあ久しぶりに聞いたな。
全然関係ないけど、高見広春を原作にした深作のほぼ遺作では、藤原竜也演じるのが七原秋也。どっちも字面が中原中也なんだよね。「○原○也」的な。七原秋也と中原中也は発音もそっくり。
だからと言って、何を言いたいわけでもないけど、「バトル・ロワイアル」的には腹腹時計も思い出したり。
だから結局、腹腹時計ってなると若松プロの連想に戻っちゃうんだよね。
もう全然本作に関係ない余談。
以前、ちょっと仕事で関わってた人に「若松さん」がありまして、人づてに、「彼は若松監督の親戚なんだよ」って教えてもらいました。だもんで、ある時、「若松さんって、若松孝二監督の親戚なんですか？！」って訊いてみたんです。
そしたら、その若松さんが、「あ～、いや。そっちじゃなくって、節朗のほうなんです」ってちょっとバツが悪そうにおっしゃいました。
「『空母いぶき』とか『Fukushima 50』のほうの……」
「ああ！ はいはい、両方映画館で拝見してます！ 面白かったなあ……」なんて答えた私ですが、内心「孝二のほうじゃないのかよ！」と失礼にも程があることを思ってしまったことは、墓場まで持っていきます（←持っていってないじゃん！）
去年だっけ？ 若松節朗監督、倉本聰脚本の「海の沈黙」も、結局のところ、「男の願望充足」に過ぎなかったしなあ。
一回だけ本作に話を戻して締めようと思います。
すずちゃんがダンスホールでチャールストンを踊るシーンがよかったね。
カット割り過ぎだったけど。
小林秀雄ってお堅いイメージだったけど、ここで「楽しい～♪」なんつってたね。面白かった！
近頃なぜかチャールストン。
ちなみに、元全米ライフル協会の会長は○〇〇〇〇・ヘストン。←駄洒落未満だぜ！
