このレビューはネタバレを含みます
『スレイマンの話』いいタイトルだなぁ。過去を偽る準備をしていた彼が最後に自分の言葉で自分の人生を語るところ、胸を打たれた。
スレイマンにお金を渡さない知り合いや対価を要求するだけの仲介人…。映画を見ているこちらとしては「おいおい、助けてやれよ!」と思わずスレイマンに感情移入してしまうが、スレイマンだって助けを求められても救いの手を差し出すわけではない。
ちょっとお菓子をくれたり、頑張れよ、と言ってくれたり、名前を聞いて握手をしてくれたり…。ほんとうに小さなことだけど、そういう些細なことこそが前に進む力に繋がるんだと思う。
接客業をしていたのでとてもよく分かる。客の99%はクソだが、たまに素敵なひとに会うのでまぁ捨てたもんでもないなと思うあの感じ…。
ソーシャルワーカーの女性との面談シーンは出色の出来。言うなれば閉鎖空間で2人がほぼ顔のアップで喋ってるだけなのにあれほどの緊張感と感動があるの、すごく強靭な作品だなと感じた。キーボードを打つ音が冷徹に響く。
難民申請のために渡航理由を偽るのはほかの映画でも見たことがあるので、ほんとうに起こってることなんだろうな。