ツクヨミ

グラディエーターII 英雄を呼ぶ声のツクヨミのレビュー・感想・評価

4.0
またもや復讐劇かと思ったら皮を被った国家反逆に至るリドスコ節。
リドリー・スコット監督作品。まさかの"グラディエーター"続編が公開、予習しつつ挑んでみた。
まず本作は"グラディエーター"の続編となっているが主人公であったマキシマスは死亡、前作でルッシラの息子だったルシアスが主人公となるわりと正当な話に続きだ。
アフリカで軍人として生きていたルシアスがローマ軍襲撃により妻を失うことになり捕虜になってしまう復讐劇の王道スタート、言っちゃあ前作と同じような感じなんだがやっぱりこの王道さ加減が"グラディエーター"の強みだよな再確認する。流石に前作より見やすくかっこいい戦闘シーンで、かなり血生臭い人体損壊描写が増えまたもやリドリースコット的な理不尽な暴力社会なビジュアルが見れる作品な仕上がり。
だがしかし今作は復讐劇はかなり控えめになり、デンゼルワシントンが牽引する国家権力に対する反抗が水面下でジワジワ進行していくのがメインプロットとなる。前作の嫌らしいホアキンフェニックスも素晴らしかったが、またとんでもなく無慈悲で子どもみたいな双子皇帝を徐々に血祭りにあげていくサスペンスがめちゃくちゃ見応えたっぷりで痺れた。
あとリドスコ的な光の差し込み美ショットも健在だし、ルシアスの夢のワンショットがゴリゴリにキマッてて素晴らしい。
まあ全体的に王道のままで大作として満足度高めなのは前作同様、でもやっぱり切ない締めな前作にちょっと軍牌上がっちゃうなと小さく感じた続編。
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