のっぶ

正体ののっぶのネタバレレビュー・内容・結末

正体(2024年製作の映画)
4.7

このレビューはネタバレを含みます

Filmarks試写会にて。
原作は未読で、前情報は予告とあらすじのみで鑑賞しました。
藤井監督作品はこれまでにヤクザと家族、余命10年、最後まで行くを観ていて、そんな監督の最新作ということで応募しました。
上映前に藤井監督からネタバレにならない程度のトークがあり、4年の構想を経て撮影されたものと知りました。また、夏と冬で分けて撮影することでトークの中で時間の変化を感じてもらいたいと話していた通り、最後は逃走時と同じ冬に再逮捕されることで鏑木の逃走劇の最後に相応しいシーンだと感じました。
映画を観る前は同監督作品の最後まで行くのような追う追われるの逃走劇かなと思っていましたが、本作品は逃走劇を通じて紡がれる鏑木と周囲の人々とのストーリーであり、物語の初めは鏑木の行動目的は全く分かりませんでしたが、終盤になるにつれて鏑木がどんな思いで、人々と出会い、何を感じたのか分かった時には涙が止まりませんでした。
特に、終盤の面会のシーンでは山田孝之演じる又貫が自身の中で渦巻く葛藤がありながら放つ言葉の一つに重みを感じられ、印象深かったです。それに呼応するかのようにこれまで出会ってきた人々が正体が世間では死刑囚と言われているあの鏑木と知りながら、無罪だと信じて以前と同じように接する姿には感動しました。
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