前髪メガネ

正体の前髪メガネのレビュー・感想・評価

正体(2024年製作の映画)
4.0
エンタメとしては面白かったのだけど、、

日本中を震撼させた凶悪な殺人事件を起こし、逮捕、死刑判決を受けた鏑木慶一が脱走。
鏑木を追う刑事の又貫征吾は、逃走を続ける鏑木が潜伏先で出会った人々を取り調べる。
しかし彼らが語る鏑木は、それぞれがまったく別人のような人物像だった。
さまざまな場所で潜伏生活を送り、姿や顔を変えながら、間一髪の逃走を繰り返す鏑木。
やがて彼が必死に逃亡を続ける真の目的が明らかになり……。

んー、、面白くはあったんだけど。。。

予告編からなんとなく分かってはいたけど、この話筋なら横浜流星がちゃんと犯人の雰囲気も残して欲しかった。
結構早い段階で冤罪を匂わせるのは面白くない。

そもそも現実的に指名手配犯はこの世界のどこかに潜んでいる訳で、まずは疑いを向けるのが正常なことだということを認識させてほしい。
物語として警察の怠慢の物語にするならもっと山田孝之の尺は増えるし、葛藤やら欺瞞のシーンを作るべきだし。

藤井道人監督と横浜流星のタッグ再び!なんて盛り上げるのは別にいいとは思うけど、そこまでワッショイする作品なのだろうか?

年末に一家惨殺犯人逃走の条件が揃うとやはり世田谷一家殺人事件がどうしても頭に浮かぶ。
犯人もまだ捕まってないこの状況でこんなに似ている事件はもっとシビアな内容(シビアだけど)であって欲しかった。

ちょっとエンタメというか大衆の望みを組んだ感に残念。

はなから真犯人は別にいると明言されてあの話ならまだのど通りは良かったと思う。

映画を観て鏑木慶一はハッピーエンドを迎えたのかもしれないが、あたし達の周りには本当の指名手配犯が潜んでいる訳で。
そこへの緊張感は残して欲しかった。

これは完全にアレなのだけど、面会室での真横からのシーンでの横浜流星の首がニュッと伸びててそれが異様に怖っかった。
前髪メガネ

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