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正体のakのレビュー・感想・評価

正体(2024年製作の映画)
2.3

原作未読。設定に惹かれて。
主人公の鏑木くんと関わる人たちが全員良い人すぎて、得体の知れない人を純粋に信じさせる描写自体そこまでなかったので、何でそこまで?という感情がずっと残ったままでした。あれだけ関わった人たちを信じさせる「何か」があるんだとしたら、最初からこんなことになってなかったんじゃないのかな、とこういう題材で絶対に考えてしまう、人間性の足し引きについて考えてしまいました。

でも、鏑木くんを演じていた横浜くんの「世間の普通を何も知らず、事件という渦からずっと出られずにもがく青年」の演技は流石でした。お酒を飲む姿だったり居酒屋で食べた食事の味だったり、誰かを愛しいと思う感情だったり。普通に生きていれば、何てことなく味わえて体感してきたことを、染み入るように一つ一つ感じていたシーンは、とても魅入りました。
全体的に、綺麗すぎたなぁという印象でしたが、演者たちの演技力を観る作品として捉えたら、見応えはあったかなと。
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