このレビューはネタバレを含みます
主人公たちが音楽好きであったり、近未来であったり、なんか暴動おきてたりと、ぐちゃぐちゃに散らばったものが2時間の上映時間の中でぐちゃぐちゃではなくなっていた。言い換えるなら、部屋の整理をしたと言った感じで、綺麗な散らかり方をしていた。決して撚り糸みたいに散らばったものが1つになってはいないので、ここは賛否別れそうなストーリー展開である。その散らかりが生々しく生活を描いていて個人的にはすごい好きだった。
主人公の2人は高校生であり、高校生という枠組みの中でも端っこに位置付けられるような尖った存在である。端っこといっても、下じゃなくて、どちらかというと斜め上くらい(伝われ)。そんな風変わりである人間たちを一切の違和感を感じることなく表現するというのはとてつもなく難しいことであるが、今作においてはそれが出来ていたのではないかと感じる。特に、校長が集会時に「犯人は自首しろ!」といった際のユウタとコウの行動はそれが顕著に出ていたと思う。ユウタはルールなんて知らない、楽しく生きれればそれでいいという人生観を抱いており、対してコウは、守るべきルールは守るべきであり、必要のないルールは変えていくべきである(楽しいだけでなくより良い社会を作りたい)、といった人生観を抱いているのかなと個人的には思っているが、ユウタの頭を抱える描写とコウの震えて何もできない描写はそれを非常に上手に表現できていたのかなと思う。あと卒業式に壊れた車をネタにしているのもサイコー。
私が映画に対して、いい映画だなーと評価する際に気にするポイントとして、「それぞれがそれぞれを生きている」という所が一つある。主人公だけが生きているのでは、現実世界と映像世界をリンクすることは難しくなり、感動もその分薄くなる。今作はこの点に関して非常にうまいことやっていたかな。セリフやキャラクターの行動に多少イタさを感じるシーンも多々あるが、それでこそ高校生であり、生臭さを感じる。
後一つだけ言いたいのは、入りがすごく好き。あの入りは映画館で味わうべき表現だなと心から思う。家のスマホやらテレビやらで観るのでは感じれない「圧」を感じた。
久しぶりに長文書いた。
結論:さいこー!