ゆきんこ

チャンスのゆきんこのレビュー・感想・評価

チャンス(1979年製作の映画)
4.0
午前10時の映画祭で。
庭師のチャンスが純粋で、ビックやレインマンを思い出してた。ビックは子供が大人の身体にある事で変身してしまいおもちゃ会社に雇われ色んな企画を出して成功して行くやつ、レインマンは自閉症だけどある能力が非常に高いやつ。どちらも女性との恋には疎い。
シャーリーマクレーンがキリッとした中にも品が有って美人!とまで行かないのに魅力的な女性で素敵だった。
チャンス役のコメディアンのピーター・セラーズは品が有って静かに笑わせて行くのが素敵。
ベン役の病気がちなメルビン・ダグラスは流石の風格。観ていてピッタリな役で味が有った。

何十年も仕えたお屋敷の主人が亡くなっても死の意味が解らずメイドの黒人のおばさんが呆れるものの叱責してしまった事を謝るのは彼の知的障害(自閉症スペクトラム)を理解しての事。後にこのおばさんが白人なら足りなくてももてはやされる事も有ると黒人だらけのカフェでTVを観ながら言ってしまうのも風刺。
どんどん政財界でただの知的障害の庭師の中年おじさんが周りにあげられて行くのも皮肉めいていて面白かった。
社交界の女性にも人気が出て行くし。
この庭師の役をピーターが演じた事がこの映画が成り立っている一番な所かと。

劇場で2つ後ろの初老のおじ様が品良く、よく笑う方で私的にはそれが鑑賞していてとても良い環境だった。

午前10時の作品はどれもいい物が多くて観るのが毎回楽しみ。
ゆきんこ

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