耶馬英彦

劇映画 孤独のグルメの耶馬英彦のレビュー・感想・評価

劇映画 孤独のグルメ(2025年製作の映画)
4.0
 テレビドラマはときどき観ていた。劇場版にするほどでもないと思っていたが、さすがは松重豊監督である。食材探しの旅にヒューマンドラマを重ねて、盛り上がる物語に仕上げている。淡々としてはいるが、こと食については貪欲な五郎さんのキャラクターがここでも十分に生かされる。
 パドルサーフィンは由比ヶ浜で見たことがあって、しばらく眺めていたらどんどん遠ざかり、最後は葉山の方まで進んでいたから、意外に長距離を進むんだなと感心した。直線距離にしたら5kmくらいだろうか。五郎さんも、海さえ凪いでいたら、対岸に辿り着けたかもしれない。それにしても、パドルサーフィンが伏線とは驚いた。

 テレビでも食べっぷりのいい五郎さんだが、本作品では、どんな状況でも見事な食べっぷりで、繊細に見えて実は豪胆な五郎さんの人柄がよく出ている。食べることは生きること。いつだって一生懸命に美味しいものを食べようとする姿勢には、とても共感できる。

 午前中に鑑賞したあとに予約した蕎麦屋に行くと、我ながら驚くほどたくさんの一品料理を頼んでしまった。五郎さんの影響に違いない。なにせあの人、たくさん食べるからな。などと思いつつ、さらに追加で注文。お酒も追加。そしてあっという間に完食。なんとなく五郎さんみたいで、気分がよろしい。ご馳走様でした。
耶馬英彦

耶馬英彦