かふぇおれ

CURE キュアのかふぇおれのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
4.3
内なる狂気と憎しみを包み込む理性と良心に知らぬ間に✕‬印を切り込む間宮の恐ろしさ。そしてそれでも夢中になって観てしまうこの映画そのものも同じような恐ろしさがあって良かった。
教祖、伝道師、信者と宗教のように広まる治療が決して画面に映る他人事とは思えず、殺人に出くわしたような妙なリアル感があった。(実体験はないけども)

刑事として、良き夫としての社会的な仮面に苦しむ主人公と夫の仮面に気付きながら苦しんでいる妻。主人公の幻覚から察するに殺したい気持ちと死んでほしい気持ちはまた別なんだな……。
明かりが点いた途端に映る印、現実味がまるでないバスの車内、サブリミナル効果のような切替とか印象的な魅せ方が多くて監督の凄さを感じた。佐久間が手に取ったボールが高部に渡されることなく放られる演出が今後を絶妙に暗示してて好き。
ほとんど手を付けれなかった食事を丸ごと食し、食後に一服出来てしまう程に重荷が外れて満足気なあの表情が1番恐ろしい…。まだ汲み取れてない部分も多々ありそうだからもう一度観たいな。

顔色1つ変えずに拳銃で撃ち殺すあの演技がめちゃくちゃ良かった。
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