さわら

CURE キュアのさわらのレビュー・感想・評価

CURE キュア(1997年製作の映画)
5.0
なにという理由もなく本作を再見したのだが、こんなにも数多の病院が多く出てくるものかと驚いた。そしてそれらが、単に病人を「CURE」する治療・癒しの場ではなく、ある種不吉な場、現実世界を逸脱した場として機能してるのが興味深い。
さまざまな病院(地獄めぐり)を経て、辿り着くラストの大きすぎる廃病院を前にした高部のカットは、ゾゾゾと鳥肌ものである。まるで此の世の果てのようではないか!

もりもりご飯を食べ始めたり、なにも躊躇なく水たまりに入っていったりと何気ない積み重ねによる不気味さ・気味悪さの乱れ打ちに、「はやく終わってくれ」「この地獄もっと観せてくれ、終わるな」とこっちの精神も半ば崩壊気味になる。

楽し恐ろし。ぞぞぞ。