変リクセン

劇場版モノノ怪 第二章 火鼠の変リクセンのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

(あらすじ)
モノノ怪「唐傘」による怪異、そして薬売りによる退治から程なく経ったある日。大奥では天子の正室・幸子の長女の後見人問題や、歌山亡き後の年寄選定を契機に御中臈メンバー間の対立が顕在化。天子の寵愛を受けるフキが、新年寄・ボタンの厳格な方針に異を唱えている最中に体調を崩す。「妊娠による悪阻では?」と場がざわめく中、現場近くにいたフキの女中時代の同期・サヨが突如として燃え上がり…。

(感想)
テレビアニメシリーズ「モノノ怪」の劇場版第2作。テレビアニメは未視聴で、前作はNetflixで鑑賞した。前作の感想を言うと、和紙テイストの特徴的な色遣いに感心した一方、ストーリーにはそこまでハマらず。一つは主人公の存在で、カメは無能な割に天子様の寵愛を受けるポジションへの野心はしっかり持つなど引っかかるポイントがあり乗れなかったし、もう一人の主人公・アサもいくら優秀とは言えさすがに名誉ある大役(筆をとるやつ)をいきなり任されるのはなあ…と白けてしまった。
もう一つのイマイチだったポイントは、薬売りと唐傘のラストバトル。薬売りが変身したらもうそこで試合終了なので、全然ワクワクしなかった。

そのため本作もさほど期待せず鑑賞したのだが、オーソドックスな話(大奥の権力争い)で理解しやすく、“人体自然発火”も前作の干からびよりも怪異の良さが出ていた。また、単に女性同士の醜い争いで終わらず裏で糸引くクソ男性の存在をしっかり描き、落とし前をつけているのもベタな展開だが良かった。相変わらず薬売りが無双する展開は退屈だし、別次元に行って事が進むのは日常だからこそ生きる怪異の魅力を半減させているが、それでも本作は面白さの方が勝っていた。

最後(?)の3作目は天子と正室・幸子にフォーカスした話になると個人的には思っているがどうだろうか。楽しみにしたい。
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