散歩

ベイビーガールの散歩のネタバレレビュー・内容・結末

ベイビーガール(2024年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

今作が強い女の本性が云々って安いドラマや浮気女に制裁を加えるような「良識」を盾にした社会的暴力を後押しするような作品になっていなかったのが個人的にはすごく良かったですね。むしろそういった他者の目という支配によって遠ざけてきたものに向き合って理解して受け入れる話だったのかなって、予告編から感じたものよりもずっと真面目な作品だったなぁって思いました。
サミュエルの支配と終盤のアイツのキモさ全開の発言の対比とか、妻としてリーダーとしてこうあるべきという押しつけとロボットを扱う主人公という設定の面白さや、冒頭とラストの違いとかを考えるのも面白かったですし、そもそも偏見が起こりやすい性癖についての物語だったりニコール・キッドマンが今作でまた体を張っているのも、観客という他者の目を測るための装置だったのかなって思ったりもしました。最終的に主人公の背中を押す娘がクィアだったり、主人公が無事にこれまでの生活に帰還する内容になっていたのは劇中のセリフにもありましたが世代差が感じられてそこも凄く良かったですね。当人にとってはシリアスな問題なんだろうけど、自分を恥じたり深刻になりすぎる必要はないと思うし、他者が必要以上に大袈裟に捉えることではないんじゃないかなって…そう思うと優しい作品だったんだなって感じるところもあったりします。

正直何かを期待して観に行ったって訳では無かったんですが、劇中で描かれるもの全てに対して真正面から向き合っている本当に良い作品でしたね。あの人が聖書に救いを求めにいくあたりは「いかにもだなぁ」って感じでちょっと笑っちゃいました。まあさすがに2時間は長いかなっていうところもあったけどね。
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