蔵橋

マルホランド・ドライブ 4Kレストア版の蔵橋のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

全く情報を知らずに「サスペンス映画楽しみだな〜」の気持ちで観たら冒頭のヌーって出てくる男が本当に怖すぎてトラウマになりそうです。

ラスト20分で完全に置いて行かれてしまい、怖さを払拭するために考察を読みまくって自分を納得させて、なんとか一旦克服した...(3日ほどずっと恐怖でした。)


改めて考えてみるとなんとも悲しい話で、ダイアンの都合の良いように構成された夢物語と現実とがあまりにもかけ離れていて、冒頭の夢いっぱいの“ベティ”の表情が映画後にはとても虚しく悲しく見えてしまう。
夢は願望のあらわれとも言うけど、過去をなかったことにしたいダイアンにとっては、それも一時の慰めにしかならず...
最後にリタが夢を終わらせるとおり、いずれ醒めなければいけない幻でしかなく......
でもこれは、死ぬ前の走馬灯なのかな?それとも最後煙に包まれ赤い幕が降りたのを見るに、銃で自分を撃ったのもまた夢なのかな?
謎の男たちのやり取りは結局なんなんだよ!と思ったけど、「全部妄想です」で片付けられちゃうと、こちらとしてはなかなかモヤモヤしてしまうな、という点はありました。(意図がないってことは、ないんでしょうけども...。)


リタが事故にあう場面と、ダイアンが車を降りる場面とがリンクする終盤のシーン、デジャブの演出がとても美しく、印象的でした。
カミーラ(リタ)は夢よりも現実の方がずっと妖艶で、映画全体のあやしさを振り撒いていて怖くもありました。(この狂気の世界のトリガーみたいなものだしね...)
ナオミ・ワッツの演技力はすさまじく、ただただ圧倒されました。
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