ねぎおSTOPWAR

目撃のねぎおSTOPWARのレビュー・感想・評価

目撃(1997年製作の映画)
3.8
イーストウッド監督+製作+主演作品。

イーストウッドさんは不条理を淡々と描く点を言われます。
大好きな「アメリカンスナイパー」しかり、絶妙な表現。
「ミリオンダラー・・」みたいに反響を呼んだ典型的な作品。
「インビクタス」、あるいは「星条旗」と「硫黄島」のセットなど、善悪をそっと観客の眼前に示して考えることを委ねるみたいな。

それで言うと、イーストウッド作品史的にもこの「目撃」なんてエンタメですよね!
キチンと悪は成敗される。笑
それもね、原作はみんなバンバン死んでしまうらしいじゃないですか!
イーストウッドさんが「観客が好印象を持つ人物は死なないようにしよう」って脚色したそうです。
決してその行為が悪いと言っているのじゃなくて、イーストウッドさんは常に観客がどう観るかを心得ている。つまり自分本位ではないことに「おぉー」と思います。かなり冷静に賢く、自分がどう見られるかをご存知。

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作品はまたしてもジーン・ハックマンが出演!
やっぱり監督としては使いたくなるんでしょうね!難しい役であればあるほど。
お見事でしたもんね。
またエド・ハリスはおいしい役。・・だけど本領発揮はできないかな。
スコット・グレンはもっと演技したかっただろうなあ。

泥棒が偶然犯罪を目撃してしまう話。
主人公と娘との関係性を軸として事実が虚構を崩していく・・。

あのネックレスでダンスシーンはいいアイデアでしたね。

まあまあ、ね!脚本はウィリアム・ゴールドマン。
「明日に向かって撃て」
「大統領の陰謀」
(そうそう、ホテルはWATER GATEでした!)
「ミザリー」ほか
ですからね!


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イーストウッドさんって監督としては・・キューブリックのような映像作家じゃないですもんねえ。で、スピルバーグのような隠れ社会派でもない。
わたしは結構タランティーノ寄りな気がしています。「違うよ!」って声が聞こえますけど。笑
何が近く感じるかと言うと、前記しましたが賢くてどう見られているかをわかっていて、それなりにきちんと受賞を意識している点。トリッキーな撮影などはまったく違う。