このレビューはネタバレを含みます
好きな子と観たので星5だが、本当に傑作だった。坂元節の台詞回しを松たか子と松村北斗が見事に体現してみせていて、素直に感動した。流石に吉岡里帆が松たか子を詰めるシーンは説明過多だとは思った。
SFというよりはファンタジーに近い感触がありながらも、2人の恋の物語として綺麗にまとまっていた。タイムトラベルを使ったコミカルな場面も観ていて楽しかった。(森七菜のウィンクのところがベスト)2人の後ろにロープウェーが映るショットと、北斗がロープウェーの窓に手を当てるショットが実に映画的で美しかった。その分、終盤のソファーでの会話シーンが結構普通な演出と撮り方だったので、勿体なく感じてしまった。
靴下、付箋、柿ピーなど、2人の運命と愛情を示すアイテムも効果的に使われており、『ラ・ジュテ』のオマージュ的な博物館の使い方も秀逸だった。
最後に餃子を焼くのかと思ったら、「ありがとう」で終わったのでちょっと拍子抜けしたが、餃子の焼き方で運命の有無の結論がハッキリしてしまうので、そこはあえてぼかしたのだろうか。あと、トンネルへ帰った松たか子はどこへ行ったんだろう……?