このレビューはネタバレを含みます
死んだ人と話すためのギミックてして、タイムトラベルを使うという構造が見事。
「バタフライエフェクト」の変奏としての側面もあって心地よい。
しかし、肝心のラブストーリーとしては、あまりにまずい。
クライマックス、やり直しの15年間。
夫婦間で相手への向き合い方を変えるのは、北斗くん演じる駈のみだ(かつて二人が離婚に至った事実を知るのは、彼のみなのだから)。
それで、二人はしあわせな15年間を過ごす。
でも、夫婦の片方だけが、相手への向き合い方を変えるだけで、そんなことができるのだろうか。
「相手が変わってくれさえすれば、私たちはうまくいったのに」
なんて、かつての恋愛への片務的な気分や、それに共感する独善。
そんなアンフェアな感情を「いい話」として、描く映画からは距離をとりたい。
