ShinMakita

殺しのShinMakitaのレビュー・感想・評価

殺し(1962年製作の映画)
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☆最後の決闘裁判公開記念で、他SNSに書いたレビューを再録↓



パオリーノ公園で、一人の娼婦の死体が見つかった。警察は、当時公園付近にいたカッパライの青年やヒモとして暮らす元窃盗犯、ナンパな兵士などを取り調べていく。彼らのインタビューを通して明らかになる真実とは……



ベルナルド・ベルトルッチが二十歳そこそこで撮り上げた「殺し」をレンタル。証言で構成していく殺人の話というと「羅生門」を真っ先に思い浮かべますが、ベルトルッチ本人は黒澤にインスパイアされていないと公言しています。確かにインタビューされる証人たちの数がめちゃめちゃ多く、羅生門というよりアルトマン的群像劇という印象を受けました。一つひとつのエピソードは無関係なんですが、雨が降った瞬間、全エピソードに共通する「室内の女」が出てきます。その映画的構成の妙も面白いです。

また、物凄くアクティブで印象的なカメラワークだけでも非凡な才能を感じさせる一本。オススメです。
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