やっと観れました。
モキュメンタリーに近い新しい文脈でのJホラー表現という感じか。楽しかったぁ。
山と霊。
ビデオテープとカセットテープ。
熊よけのベルと防犯ブザー。
男ふたりの同居。
骨壷。
あるはずのない廃墟。
映らないけどそこにある気配。
黒沢清映画を観た後に近い怖さを感じた。現実世界のちょっとした隙間でなにかわからない世界に触れてしまったような。
現実と向こうの世界、どちらにいてるか、どちらにいくかの線引きが絶妙だったと思う。セリフの少なさや登場人物の背景も想像させるのみで、削ぎ落としていたのも素晴らしい。
主演の3人の演技も良かったし、特に民宿の息子の演技と独白のシーンはすごく印象的でした。
気配だけでこんなに怖くなるのかと新感覚。ビデオテープの余白が映画館のスクリーンの余白の闇に重なって現実との境目が揺らいでしまう。映画館でないと受け取り方は全く変わるだろう。このタイミングで映画館で観れて良かった!