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鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎 真生版のnatsuoのレビュー・感想・評価

4.3
「血、呪いと償い」

去年からずっと話題になってたのは知ってて。話題にならずとも普通に興味あって見に行きたくて。なのに全く行ってなくて。チンタラしてたら配信開始してしまい、それでも見なくて。もっとチンタラしてたら真生版が出てしまいそれも全然行かなくて。いよいよ全国的に上映ラストになった10/31(🎃)、駆け足で行ってきた。


いやそりゃそうよ、この映画とんでもなくすごい。あれだけ口コミで広がり騒がれた訳がわかった。ものすごい映画だった。
戦後日本(昭和31/1956年)という挑戦的な舞台設定。元軍人である水木。敗戦したという事実。戦後映画がここ最近は多い印象だが、本作はその中でもずば抜けてこの舞台設定をユニークに巧く活かしてる。「戦後‼︎!」とデカデカとするでもないのに敗戦後であるという虚しさが伝わってくる。水木の生き残ってしまった元軍人というバックグラウンドも良かった。

生きるも死ぬも愛すも恨むも人間には呪いが纏う。エゴも孕む。肉体と血をもつ人間がいかに生きていくのかいかに死んでいくのか。妖怪や幽霊であってもそれは同じなのだろうが。

「暴いてやろうぜ」
ーーー水木とゲゲ郎、最高のバディ映画でもあったし。かっこ良すぎた。なんであんなアクスタとか缶バとかキャラグッズ出してんだろうって思ってたけど、確かにあの2人には惚れてまう。

演出の鬼。
とにかく描き方といい映し方といいこだわりにこだわり抜いた演出力が鬼の所業。真生版になりどれほどオリジナルから変化があったのかはわからないが、恐らく細かい面でも演出を加えているのだろう。すごい。

音楽、川井憲次さんなんだ。めちゃくちゃ良かったな。川井さん音楽とあのパワフル音響を、映画館で聴かないと絶対後悔してた。つくづく、良かった行けて。

鬼太郎誕生。
現代、鬼太郎と猫娘、そして目玉おやじに繋がった後のシーンで大号泣。みんな、お疲れさま。

鑑賞後にYouTubeで墓場鬼太郎の1話を鑑賞。
https://youtu.be/AdyHe-NI-JE?si=jxPN6LRZBUlGu5iz
そうか、そうだよね。特に現代版(ゲゲゲ版)では鬼太郎というキャラがいかにあのようになったのかすごくわかった。して今回の映画は、すごく素敵。水木、ありがとう。


思ったこと書き連ねてくしかできないほど余韻。なんかもう、すごい映画だわ。余韻が続きそう。友達とかにたくさん話しそう。確かに胸糞悪いものもあったが、でもどこか清々しさとして自分の中で残り続けてくれる映画だと思う。本当に観れてよかった、。

2024.10.31
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