スギノイチ

女体(じょたい)のスギノイチのレビュー・感想・評価

女体(じょたい)(1969年製作の映画)
4.0
「血が出るような刺激が欲しい!」
自分の情夫(川津祐介)を殺した岡田英次を見て発情し、死体を前におっぱじめる。
この映画の浅丘ルリ子は人間より動物に近い。

普通の日本映画の女と違い、セックスを「抱かれた」ではなく「抱いた」と表現する生まれついての捕食者。
北村和夫曰く「戦後経済成長の産物」である浅丘ルリ子にしてみれば、「俺たち戦中派にとって、戦後は余計な人生さ」と自嘲する岡田英次など、単なる餌でしかない。

60年代後半、日活男性映画の添え物である自分に限界を感じ、他社の女性映画で殻を突き破ろうとしていた浅丘ルリ子。
まさに増村ヒロインそのものといえる状態にあった浅丘ルリ子と、まだ全盛期の力量を残した増村保造。
その邂逅がギリギリ間に合った傑作。
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