このレビューはネタバレを含みます
今回は名匠・北野武の新作「Broken Rage」を鑑賞。一応観る前にレビューサイトの評価の方を見たのだが3.0以下がほとんどだったことに驚いた。
武さん、正直これ評価難しいです。
合わない人にはとことん合わない作品。
ある意味実験的な映画だと思います。
まさかの前半は真面目なバイオレンスヤクザパート、後半はセルフパロディパートという異例の構成。
まず前半についてだが、シリアスな感じや短編ヤクザ作品としては上手くまとめていたところは良かった。
そうはならんやろっていう展開が見られるのが気になるところ。
だ が 後 半 だ。
もうねコントなんよ。
ひたすらひたすらギャグ。
緊迫感一切無し、ただのお笑い映画。
真面目というものを捨ててやりたい放題でひたすらおバカに走っていくだけのパート。
自分のお笑い耐性は自分自身でもよく分からないが、自分は普通に笑えた。
(実際、寒いって言ってる人多いけどね)
印象に残ってるところを少し挙げるとしたら…
・カフェで椅子に座ろうとしたら壊れたり、次来たときは客に踏まれた挙句にテーブルにダイブ
・キャバクラ?みたいなところでターゲットを56した後に外に出て服を隠そうとするけど隠す場所がなかったため、近くの張り紙をぶら下げて堂々とパトカーが走ってる横でランニングして帰宅
・ターゲットの用紙と張り紙を燃やしたら火事発生
・武を捕らえようと漫画のように彼に向かってダイブして次々と積み重なっていく警官たち
・番号札付けて容疑者確認する時に明らかに武意外普通の人
・武と大森と浅野による取調室でのコント
・武の「チュー」
・武が本当に覆面付けて行こうとする時にところ
・椅子取りゲーム
・その後の椅子取りゲームで貰った優勝トロフィーのくだり。
・車の追突シーンのシュールさ。
・ラストの武と大森と浅野と中村と白竜によるコント。
などなど…
そこら辺のM1なんちゃらや吉本なんとゃらに出てる人よりは面白かったんだけどな〜。
合わない人結構いるのに驚き。
(まあ自分は新解釈・三國志や大怪獣のあとしまつや実写銀魂で笑ってる人ですから)
あと恒例のバカヤローやコノヤローがあったのと良かった。
気になったところは…
途中の時間稼ぎとしか思えない謎ツイートシーン。
あれまじで何?
誰得?ギャグの1つ?これで笑えと?
あれはダレたし寒かった。
普通にいらん。
あとMの正体を後半で明かしちゃいけないでしょ。
前半見てリタイアしてる人どうすんの?
Mの正体を明かして終わりでも良かったやん。
それかもういっそのことを後半のギャグ無くして前半を100分くらいの長編にしてヤクザエンターテイメントをやれば良かったのでは。
武さん、またヤクザ映画お願いします。
総評
安っぽい小道具や演出などは目に余るが前半後半合わせて全体的な世界観は好き。
短編ヤクザ作品として上手くまとまってた。
ねずみの潜伏捜査が都合良く行き過ぎるのは気になった。
下手な映画よりはサクサク進む。
俳優陣の演技や雰囲気が好き。ただ後半での印象は、うん。
前半のシリアスは悪くないが、後半のギャグがシュールすぎて雰囲気ぶち壊しで作品そのものの評価を少し下げる要因となった。
ただコントシーンは自分には悪くなった。
普通に笑えたしクスクスするシーンもあったし。
前述通り合わない人にはとことん合わないと思う。
劇場で見てたら少し怒ってたかも。
レビューで前半は北野武、後半はビートたけしを描きたかったのではという文章を目をしたのだがまさにその通りだと思う。
前述通りある意味実験的な映画だ。
武さん、もう高齢だし難しいとは思いますけどまた新作作ってください。次こそは「首」のようなバイオレンス作品をお願いします。コントやお笑いは勘弁です。
「首」は鑑賞済みでまたレビューします。
ではでは。