元々2時間40分くらいだったオリジナル版に48分追加して3時間30分になった完全版。
印象が変わったというよりは、オリジナル版がそもそも「明らかに何か足りてないダイジェスト版」というものではあったので「あるべき姿に戻った」というのが正直な感想。
48分追加されて描写が厚くなったのはナポレオンではなく、妻ジョゼフィーヌの方。
歴史的には“悪妻”とされる女性の本当の姿を描くという意味では『ハウス・オブ・グッチ』や『最後の決闘裁判』などリドリー・スコットの近作に通じる作品かもしれない。
あとなんだかんだ言ってリドリー・スコットってキューブリック大好きだよね。
『プロメテウス』も「俺が考えた『2001年宇宙の旅』」だったし『ナポレオン』もキューブリックがずっと映画化しようとしていた企画でもある。ただ伝えようとしているテーマは『アイズ・ワイド・シャット』とかに近いとは思うが…