凜

誰も守ってくれないの凜のネタバレレビュー・内容・結末

誰も守ってくれない(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

題材に興味があったのでアマプラで視聴です。

映像はメリハリが効いていて見ごたえがありグッド。
ニュー速や晒しを彷彿とさせる掲示板や追いつけないほどの書き込みの雰囲気など、とてもそれらしく撮られていました。

導入の部分も初めこそ引き込まれたものの、次第に脚本が浅く大味で、深みがなかったように感じられたのが残念です。
キャラクターや起こる出来事がどれもステレオタイプ。
並み居る俳優さんや個々の物語の無駄遣いで終わってしまいました。

-----以下ネタバレ-----

・役所の人、こんなに簡単に籍を変えられるんですか?
(人権侵害ですよね)

・主人公の刑事勝浦、同加害者の妹・沙織、精神科医、ペンションの夫婦、容疑者の両親、佐々木蔵之介演じる記者ほか、もっと深掘りできる要素はてんこ盛りのはずが、サラッと描かれすぎでは。
(贅沢を言えば、この題材で、それぞれの目線からひとつずつ作品ができそうなほどなのに…)

・沙織の彼氏が反抗を及ぶにいたった時系列が微妙。
(それまで仲が良かったのに突然人格変わるものでしょうか?最近(2009年当時)の子は仲いいふりしながら、加害に巻き込まれた家族にこんな事するの?)

・飽きてすぐ次の事件を煽るのは、ねらーではなくマスコミの方ですよ。
(これが一番言いたいことなので次に記します)

作品では、ネットの特定厨の異常さばかりがクローズアップされていましたし、近年は誹謗中傷と言われるまでになりました。

実際は、一日中パソコンに張り付いて、SNSから鬼◯板に晒しスレをみて取材?しているメディアのほうが問題。2009年はそこまでではなかったのでしょうか。
リアルタイム視聴率を眺めながら、数字が落ちてきたらすぐ次のホットな話題へと…。
結末を、なんだか思いっきりネット側だけに押し付けた形にしたところがモヤッとしてしまいました。
凜