とんでもない傑作。やっぱり後期からの人を描くようになった相米慎二もほんといい。夏の庭も映画館で観たくなった。
相米といえば十八番のションベン・ライダーや風花や雪の断章のような冒頭からの長回しを期待してしまうが、今作では、誰もいない廊下から窓を映した空虚なオープニングショットから始まり。次のシーンでは、三角形のテーブルの三辺にそれぞれ座る3人家族が映される。このショットの流れで観てる側はすでにバラバラになってしまった家族の物語なんだと解釈できる。この三角形のテーブルがほんとに良い。
昼休みに学校を抜け出して、疾走する田畑智子は、川辺で寝転んでる中井貴一に蹴りを入れる。親子というよりは兄妹にしか見えない関係性はパンフレットのインタビューによれば「」
風呂場に籠城する娘に痺れを切らして、ガラス扉を素手で割り、血だらけで引きずり出だそうとする桜田淳子。琵琶湖の水上で燃え盛る船はまさにタルコフスキーのような黙示録的恐ろしさもある。この映画のために撮られた全てのショットが好きだ!