コマミー

Flowのコマミーのレビュー・感想・評価

Flow(2024年製作の映画)
4.8
【乗り込み、助け合い、生きろ】




※fans voice様のオンライン試写会にて鑑賞



本作を鑑賞した2月22日は"猫"の日なのだと言う。そんな猫の日に合わせて本作のオンライン試写会を開催したfans voiceさんは素晴らしいなと感じた。

そして本作は、昨年の「ロボット・ドリームズ」同様に"台詞無し"映画の新たな傑作だったことを伝えたい。

本作の監督は2019年に「Away」が各国の映画祭で高く評価された"ギンツ・ジルバロディス"。本作は本編を見てないのだが、予告を見た限り、ロケーションや人物の背景の描き方が極めて繊細で、それでいて"世界観も壮大"なのでハマる人が多いだろうなと言う印象だった。

そして本作。本作は「Away」よりもカメラワークそして自然光の表現の仕方など、明らかに成長を感じる点が多かったため目が離せなかった。
前作と同じく、ファンタジー要素やディストピア要素が強めな作品なのだが、登場キャラクターに一切人間が登場せず、"動物たちだけ"の活躍になってるのがなんとも切なく、より魅入った。それもそのはず、本作の舞台は世界的な大洪水によって、人類がいなくなった地球が舞台。自然がもたらす厳しい現実に必死に立ち向かう主役の猫たちや船に乗り込む動物たち、そして道中で出逢う様々な動物たちに涙を隠せなかった。

そしてやはり私は、ここでも生き物たちの"共生のもたらす力"にめっぽう弱いようだ。それが一番わかるのはラスト。詳しくは是非映画館で本編を見てほしいのだが、ラストの猫の行動に涙が止まらなかった。結構ガチめに。
猫の習性的にあり得るかどうかわからないのだが、その"習性をも種族をも超えた心情"が猫や仲間の動物たちから伝わり、極めて美しいラストだった。

最後に、本作は極めて"動物たちの動きが繊細"に表現されているアニメーション映画だった。猫の目が切り替わったり、動物たちの習性による動きなど、ほんと細かい…。動物好きは間違いなく見るべき作品だし、本作の世界観は映画館の大きなスクリーンで刮目すべきものだったなと感じた。

日本からも登場する子もいるので必見ですよ?
コマミー

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