想像以上に暴れ回るぶっ飛んだセックスロードムービーで興奮した。誰一人としてまともな人間が出てこないインディー映画というだけで好きになるしかない。クレイジーな不条理に巻き込まれる逃避行の中で、いきなりスプラッター映画へと様変わりしたり、突飛な表現のオンパレードである。これは紛れもなく退廃的な90sカルチャーの模範解答といえる。モダンな感覚と共鳴する箇所が多くあり、アナーキーな人物描写、プレイリストムービーと形容できるくらいにシーンごとに移り変わる音楽センスも抜群でオルタナ・シューゲイズ好きからしたら最高。交わされるパンチラインの数々が忘れられず、特に「アソコの生命維持装置」はさすがに尖りすぎている。エイミーの鮮烈なビジュアルとアウトローなキャラは、映画ベストヒロインと言えるほどの存在感があった。