囁きのwhisper

Underground アンダーグラウンドの囁きのwhisperのレビュー・感想・評価

2.7
うーんこれはロクに下調べせずポスターだけに釣られた自分が100悪いっすわ。小田香監督は「セノーテ」を観て、若干長いなとは思いつつ幻想的な水の色彩がかなり好みだったのだが、本作には全くついていけなかった。

冒頭の2カットは本当に素晴らしかった。ポスターにもなっているカラフルに輝くトンネルの1カット目と、暗闇の中で地面に光のアートが映し出される2カット目。正直このまま全編暗闇と光のインスタレーションだったら劇場補正もあって今年ベスト級だろうなと予感したのだが、そう思い通りにはいかず...
その後は劇映画なんだかドキュメンタリーなんだかもよく分からん謎の自然派イメージ映像をひたすら観せられることに。(その落差が余計に厳しかったというのもある)

木の幹に手の影が現れて動いたり、ガマの歴史語りから始まる「暗闇体験」なんかは面白い試みなんだとは思うが、それも頭で面白いのは分かるだけで心に響かなかった。(暗闇体験は、もし劇場が「本当の黒」でお馴染みのドルビーシネマだったら感じられるのかもしれん)

一つ一つのイメージにも土地に宿る歴史を表現するための意図は込められているんだろうが、ちゃんとトークショーとかに参加してまで理解したいとも思えず...
ただ、これは自分が土地とか歴史とかに対する感受性に乏しいからだと思うので、そういう方面をちゃんと分かる人にとっては見応えのある映画なのかもしれん。

めっちゃ申し訳ないんだけど、終盤に1カット目トンネルの色なしバージョンが出てきて、「キリがいいからここで終わっとけ!!」ってめっちゃ願ってた笑
囁きのwhisper

囁きのwhisper