緑

捕えられた伍長 4Kレストアの緑のネタバレレビュー・内容・結末

捕えられた伍長 4Kレストア(1962年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ドイツ軍に捕えられたフランス軍の伍長と
もうひとりが脱走する話。

厳しい環境からどうにか
逃げようとする人々が奮闘する姿の多くが、
なにがなんでも逃げるぞという悲壮さよりも
逃げられたらラッキーくらいの緩さで
描かれていて観やすい。
ゆるっゆるにも程がある靴下を
ゴム紐でとめたり、
大量の物を詰め込んだトランクを
ひっくり返してしまったりなど、
画のおかしみだけでなく、
背景の切実さもいい塩梅で混ざり合って
味わい深い。

眼鏡の人は脱走失敗で射殺された。
建物を出たあとは映さず、
残った捕虜たちによる、
秒のカウントをしながら
今どの辺りにいるとか、
今鉄条網を切っているとかの会話で
観客の具体的な想像を掻き立て、
銃声で企ての失敗がわかる演出。
本作では死体が全然映されない。
だからコメディとして
成立しているのだと思う。

歯の治療シーンは
びっくりさせる系ホラー並に恐怖‼︎
麻酔前に削る意味がわからない‼︎
この時代にもタービン(コントラ?)が
あったのは驚き。
バキュームはまだなかったのかな。

伍長が歯科助手と仲良くなった辺りで、
これはもしかして
「(心を)捕えられた伍長」なのかと思い、
逃げるときは彼女を連れて行くのかと
期待していたが、
その場だけの関係だった模様。

列車の中の酔っ払いクソ老害、
まるで炙り出しトラップだった。
クソ老害もクソ老害だけど、
引っかかるのも脇が甘い!
緑