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Rumours(原題)
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『Rumours(原題)』に投稿された感想・評価

[無能な国家首脳たちとAIに支配された世界] 60点

ガイ・マディン長編13作目。ジョンソン兄弟と一緒に映画を作るようになって10年近くになるが、新しい試みも時を経るごとに凡庸さが増してくる傾向にあるように思え(特に近作短編の縮小再生産ぷりは目も当てられない)、個人的にはそろそろ昔のような作品を単独で作ってほしいなあと。物語はドイツのダンカーローデで行われるG7サミットに出席した各国首脳たちを主人公としている。彼らは漠然とした"現在の危機的状況"に対して声明文を書こうとしているが、その実、それっぽい単語を並べて発言を誤魔化すような曖昧で中身のない議論を続けており、国家間の鍔迫り合いや首脳間の権力闘争すらない、ままごとに興じるおちゃらけたアマチュア政治家たちであることが一見して理解できる。一応のまとめ役をするドイツ、真面目だけが取り柄のイギリス、言葉の多いフランス、発言を求められない限り黙ってる日本、尊大で居眠りばかりのアメリカ、馬鹿なイタリア、スキャンダルと性的不和を抱えて悩むカナダというように、彼らの性格はそれぞれの国のかつての首脳たちと国民性のイメージから付けられているようだ(メタ的な言及もあり)。そんな感じで、ゆるふわ政治寓話をくどくど続ける上に、冒頭30分くらいはソフトフィルターなしで画面がパキッとしていて、まったくガイ・マディンらしさは見えてこない(強いて言うなら全員の危機的状況を救おうと立ち回るのがカナダ首相マクシムというのはカナダ映画らしいのかもしれない)。首脳陣は東屋でワインを嗜みながら危機に対する共同宣言の原稿を書こうとするが全く進まず、日も暮れた頃に使用人たちや秘書官たちが近くどころか屋敷にすらいないことに気付く。そして、身の危険を感じた首脳陣は独力で沼地を抜けて大通りに出ようと、暗い森の中を彷徨い始める。この森には皮膚や髪は完全に保存されているのに骨だけない"ボグマン"という鉄器時代の遺体で溢れており、しかも彼らの風習として豊作などの約束を破った酋長が生贄として殺されるというものがあったらしく、気が付けばボグマンまで森を徘徊し始める。ガイ・マディン的な人知を超えた要素として巨大な脳みそが登場し、マクシムの元カノで欧州委員会委員長セレスティーヌが突如としてスウェーデン語に覚醒し、巨大脳みそに執着するというマディン的な展開を見せるが、これは後の展開から察するにAIが獲得した"脳みそ"のメタファーなのだろう。

終盤で、唐突に"性犯罪者を補足する用の少女を装ったAIボット"が物語に乱入し、全ての黒幕であることが明かされる。どこまで彼女の思い通りに展開しているのかは不明だが、彼らが書けなかった声明文もいとも簡単に吐き出してしまう(内容は"オリンピックは3年毎開催に変更すべき"なのでアホではあるのだが)。しかし、恐怖に慄きながらも人間は前進できるんだ!と希望的な帰結に無理矢理結びつけている。もう意味が分からん。中盤までの政治風刺はどこいった?ボグマンはかなりストレートな批判ではなかったのか?ガイ・マディンの残り香を必死に探して、良かったと思いたい、悲しいファンがまたここに散りました。

追記
イタリア首相アントニオは欧州委員会を知らないほど馬鹿として描かれており、漫画でいう解説をスムーズにする馬鹿役のようにも思えてくる。ふと思い出したのは『HUNTERxHUNTER』で登場する十二支んのカンザイである。となると、イギリス首相カルドーサはチードルかな。他の人はあんまり当てはまらないかも。
3.0
【G7サミット開いたら巨大な脳とエンカウント】
ガイ・マディン&ジョンソン兄弟の新作『Rumours』のブルーレイを入手したので観た。ガイ・マディンは教え子であるジョンソン兄弟と制作した『The Forbidden Room』以降、ハーバード大学の教授に就任してしまい、長らく長編劇映画を撮ることができなかった。生活のために教員をやり、合間に過去の縮小再生産的短編を撮っており完全にスランプだったと語っている。そんな彼が製作総指揮アリ・アスター、割と潤沢な予算で映画を作ることができた。彼自身、過去の呪縛から逃れようとしており、本作は満足いく出来だと語る一方でガイ・マディンファンからすれば複雑な気持ちになる一本であった。

本作は、カンタン・デュピューやリューベン・オストルンドが撮ったような風刺劇となっている。G7サミットが開催され「国際的危機」に関する文書を練っているのだが、全員がフワッとしたことしか語っておらず、どんな危機が迫っているのか良く分からない。そして、各国首脳は国民性を象徴するような振る舞いをしており、平岳大演じる日本の首相は、全く会話に入れず、いざ話を振られるとどや顔で英語を使いこなしているアピールをしているが議論に何も影響を与えていない無となっている滑稽さがある。中盤以降には、狼狽から全く英語が使いこなせなくなってくるので爆笑と共に悲しくなってくる。

G7サミットに盛り上がっていると、気が付けばあたり一面紫の空間となっており、部下が消滅してしまっている。これはマズいぞとG7のメンツで冒険が始まる。ここでの空間「森」の扱いに興味深いものがある。通常、国家と社会が分断された状態で政治が行われる際に屋敷が用いられる。最近だと『ベルサイユのばら』における井の中の蛙なマリー・アントワネットと洛中洛外を行き来するオスカルを対比させ、フランス国家の盲目さをあぶりだしている。『Rumours』の場合、森の中で大冒険を繰り広げている。つまり役割を全うしているようで、その実態は虚無である側面を森に託しているのが面白い。森には巨大な脳やゾンビのような存在があり、RPGさながらとなっているのだが、最終結論として出る文書があまりにもくだらないものとなっている。

ただ、ガイ・マディンでそれをやるならリューベン・オストルンドの方が面白いのではと思ってしまう気持ちもあり複雑である。日本公開しますかね?