優しくて面倒見のよい姉が、ある日突然統合失調症を患ってしまう。
この作品は病に冒されてしまったその姿を真正面からしっかりと見据え、「どうすればよかったか?」と自問する監督である弟をはじめ、両親などの周囲の人々の姿を映し出す。
簡単に言葉にできない作品で、あまりの重さに胸が苦しくなる。
お姉さんの病気が深刻な時もしっかりと捉え、その後待ち受ける運命に涙。弟である監督の気持ちが、どこにも誰にも、家族にさえ伝わらないもどかしさにまた涙。
誰が悪いとか、何が悪いとか、当事者でない私には気軽に判断なんてできない。
ただ、一つの確かな家族の話がそこにある。
ラストカットのお姉さんにまた涙。
どうすればよかったのか?
今もきっと、タイトルと同じように悩む人々がこの国のどこかにいる。
自問自答して生きている人がいる。
映画の中のフィクションではなく、地続きの場所に今も悩み続ける人々がいることを実感した、すごいドキュメンタリーでした。