去年からずっと観たいと思ってた作品。念願かなっての鑑賞。
内容自体は家族のホームビデオの場面が切り貼りされた閉ざされたものだ。しかしタイトルによって鑑賞者に問いは投げかけられ、ただの傍観者ではいられなくなる。元からNHKのドキュメンタリーのような編集であればこの生々しさは残らなかっただろう。
あらすじを読む限り壮絶なドキュメンタリーかと思いきや、なんともありふれた家庭に思えた。事例は違えど似たような家庭はごまんといるだろう。だからこそ他人事には思えない。
お姉さんに起こったことは悲劇だったのだろうか。もっとああすればこうすればということはあった。あの両親のやり方は間違っていたと思う。だがそれは結果論だ。我々は所詮表面的な批判しかできない。無力なのだ。このエピソードが例えばXに投稿されて文字になれば他人は簡単に叩くだろう。表面的な情報で。私たちには裁けない。家族でさえもそれは出来ない。ただ彼らの日々に、後半、少しでも希望があったならと願うだけだ。