里見家の姫と八犬士による妖怪たちとのバトルを描いたアクション時代劇。
滝沢馬琴の”南総里見八犬伝”に新解釈を加えた鎌田敏夫”新・里見八犬伝”を映画化。
薬師丸ひろ子が主演、真田広之、千葉真一、志穂美悦子、京本政樹、夏木マリらが共演。
里見一族は、蟇田一族を女子供までも皆殺しにするなど残虐な行為を行ったため、その怨念から妖怪として復活した蟇田一族により首をはねられてしまう。
里見一族のうちただ一人生き残った静姫は、逃亡中に霊玉を持った八人の犬士と出会い、蘇った蟇田一族の息の根を止めるために立ち上がる....
ヒロインの静姫の里見一族は敵対する者に対しては妻子までも皆殺しにする非情な一族。
さらに八人の犬士たちも、姫を拉致して褒美を得ようとする者や、実母に刃を向けるチンピラ、金で暗殺を請け負う殺し屋、育ての親を殺した恩知らず、領民を大虐殺した武将など、極悪人の寄せ集め。
悪人たちが、これまで犯してきた悪行に苦しみ悔い改めるというストーリーでもなく、主人公達の悪行を鑑みると、感情移入しにくく、かえって妖怪たちが哀れに思えてしまう。
ラストも姫様は領民たちを放り出して気ままに旅に出る無責任ぶり。
ストーリー的にはすっきりしない作品で、丁寧に描いてもらいたかった。
一方で、若い真田広之の好演が楽しめます。
また、妖怪を演じた夏木マリは、妖艶かつ不気味ではまり役。
特に血の泉から出た彼女は必見です！
ラストシーンの真田広之と薬師丸ひろ子の笑顔が良くも悪くも印象的でした。
2022.6 NHK BSP で鑑賞
