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ジェニー・ペンはご機嫌ななめ

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ジェニー・ペンはご機嫌ななめの作品紹介

ジェニー・ペンはご機嫌ななめのあらすじ

正義感が強く、法を守る強い信念とプライドで長年判事を努めてきたステファン・モーテンセンに訪れた突然の悲劇。病に倒れ、車椅子生活を余儀なくされた彼は郊外のケアハウスに入居する。だが、そこにはジェニー・ペンと名付けたドールセラピー用の指人形を手に陰湿ないじめで老人たち支配するデイヴ・クリーリーという1人の入居者がおり、その男と敵対したステファンはいじめの標的にされてしまう。繰り返されるデイヴの理不尽で屈辱的な嫌がらせ、そしてエスカレートする邪悪な行為の数々。正義のために戦い続けてきた男の人生最後の戦いは、想像を絶する死闘と化していく…。

ジェニー・ペンはご機嫌ななめの監督

ジェイムズ・アシュクロフト

ジェニー・ペンはご機嫌ななめの出演者

ジョン・リスゴー

ジェフリー・ラッシュ

ジョージ・ハナレ

原題
The Rule of Jenny Pen
公式サイト
https://jennypen.jp/
製作年
2024年
製作国・地域
ニュージーランド
上映時間
104分
ジャンル
ホラースリラー
配給会社
エデン

『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』に投稿された感想・評価

kuu
3.3
『ジェニー・ペンはご機嫌ななめ』原題または英題 The Rule of Jenny Pen
製作年 2024年。上映時間 104分。
映倫区分 G 製作国 ニュージーランド

やすらぎの場所であるはずのケアハウスを舞台に、冷酷な入居者に支配され逃げ場のない悪夢へと追い込まれていく老人たちの姿を描いたサイコスリラー。
今作品は、現代のブラック企業やSNSの身内ノリの炎上にも通じる、閉鎖空間の最悪なパワハラを容赦なく可視化したソリッドな作品でした。
 
かつて社会のガバナンスを司る立場にありながら脳卒中で戦力外通告を受け、強制的に、老兵たちの限界集落へとマウントを取られにやってきた元判事ステファン(ジェフリー・ラッシュ)と、夜な夜な子供じみた『ジェニー・ペン』ちゅう人形をチャットボットばりに悪用して、歪んだ承認欲求と支配欲を満たしていくインフルエンサー気取りの入居者デイヴ(ジョン・リスゴー)の、泥沼のメンタル戦。
舞台となるニュージーランドの寂れた介護施設は、一見するとホワイトな終の棲家を装っているけど、その実態は外部のコンプライアンスが一切届かへん、マフィアのセーフハウスも青青とするディストピア。
 
監督のジェームズ・アシュクロフトは空間ハックの巧みさを発揮し、広角レンズによる画面のバグらせ方や、不穏な照明によって、逃げ場のないブラックインターンシップに放り込まれたような息苦しさでハメてくる。
 今作品には、現代社会がケアを必要とする人々からいかに容赦なく発言権を奪い取っていくかちゅう、尊厳のディストピアというべき極めてエグい現代的テーマが潜んでいる。

作中で描かれる対立は、勧善懲悪の綺麗なリベンジポルノではなく、かつて他者をジャッジする絶対特権を持っていたエリートの知性が、肉体のスペック低下という抗えないシステムエラーによって檻に閉じ込められ、今度はサイコパスの暇つぶしのおもちゃにされてしまうちゅう強烈なアイロニー。
人間は自立ちゅう課金アイテムを失った瞬間に、どれほど容易く暴力の無料ユーザーに落ちぶれてしまうか。映画はそんな、現代人が見ない振りをしている資本主義的な倫理のバグを突いてくる。
 
特筆すべきは、物語の狂言回しとなるパペット、ジェニー・ペンの存在感。
一見するとチープなメルカリの売れ残り精神安定グッズのよな玩具が、リスゴーの卓越したネット荒らしさながらの声色と不気味なムーヴによって、法もポリコレも通用しない不条理な暴力のアバターへと変貌していく。
この構造は、映画ファンであれば『カルト・シネマ』の古典的なサイコ・ホラーや、閉鎖環境下での権力関係を実験的に描いた名作群を想起せずにはいられない。
 
いじめを主導する狂気的な老人を演じたジョン・リスゴーと、それに立ち向かう元判事役のジェフリー・ラッシュという、名優2人による演技の応酬はまさに圧倒的。肉体の衰えや尊厳の喪失といった老いのリアルな恐怖が、不穏な構図や音楽によって見事に演出されており、スティーヴン・キングら多くの批評家が絶賛するのも納得の見応えがある。
ただ、海外の小説をお読みになられる方はご存知かと思いますが、スティーブン・キングの賞賛は本の帯文句でわかるように当てにはならないが。
 
しかし、今作品が提示する恐怖は、次第に観客の心理的な許容量を超えていく。
作中で描かれる、人形(ジェニー・ペン)を使った悪質でサディスティックないじめや、執拗な高齢者虐待の描写は過剰に陰湿。観ていて楽しむどころか、ただただ不快感が募り、気が滅入ってしまうような悪趣味さが全編を覆っている。
さらに、その陰湿な行為がエスカレートする一方で、作中のリアリティには疑問が残る。なぜ施設のスタッフや看護師は、ここまで分かりやすい危険行為やいじめを放置していんのか?という管理体制の描写には不自然さが目立ち、脚本の甘さを感じずにはいられない。
 
どれほど俳優陣の怪演が素晴らしくとも、この設定の不自然さと度を越した不快な描写のせいで、映画としての完成度に素直に拍手を送るのが難しい作品かな。


あらすじ・キャスト
正義感の強いステファン・モーテンセンは、法を守る強い信念とプライドで長年にわたり判事として働いてきた。病に倒れ車椅子生活を余儀なくされた彼は、郊外のケアハウスに入居する。そこには、「ジェニー・ペン」と名付けたドールセラピー用の指人形を手に陰湿ないじめで老人たちを支配する、デイヴ・クリーリーという邪悪な入居者がいた。彼と敵対したステファンはいじめの標的となり、デイヴによる理不尽で屈辱的な嫌がらせは次第にエスカレート。正義のために闘い続けてきたステファンは、人生最後の壮絶な闘いに身を投じていく。

「教皇選挙」のジョン・リスゴーが入居者たちを支配するデイヴ、「英国王のスピーチ」のジェフリー・ラッシュがデイヴに立ち向かう元判事ステファンを演じ、2024年・第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭で最優秀主演男優賞をそろって受賞。「M3GAN ミーガン」を手がけた人形クリエーターのポール・ルイスがジェニー・ペンのデザインを担当。
背骨
3.5
人生の終わりを過ごす介護施設での暮らしがこんなにも醜く苦しいものなんて…

身体が動かない、虐待を受ける、信じてもらえない、希望を失い無気力にただ日々を過ごすだけになる… 老後の恐怖と絶望をこれでもかと詰め込んだ作品。ヘタなホラーよりよっぽど怖い
予告編がかなり面白そうだったので、期待して観たのですが、期待外れな結果になってしまった。
ケアハウスを舞台にした、正義感の強い元判事と、セラピー用のドールを使いハウスを支配する男との闘いという設定。
まず、ホラー色が強い宣伝なのですが、それほど怖くないです。
また、「ジェニー・ペン」という人形を持つデイブは、嫌な男で、成功者である判事と立場を逆転することに囚われるのだが、支配しようとする行動がチープなのだ。足を踏んだり、尿をかけたり。何か、死を想起させるようなことをしない。死を迎える手前のケアハウスにもかかわらず。なので、騙しあいというか、知能戦のような展開にならない。
また、元判事は、認知症の症状が出ていて、記憶が一部混濁したりしているのだけれど、それが物語に活きていない。近年、認知症をテーマにした作品が増えているのですが、残念。ラストも、特に驚きの展開もなく、そのまま終わってしまった。うーん。
2026年6月13日@キノシネマ心斎橋

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