なぜ砂漠を好きなのかと質問され「清潔だから」と答えたロレンスは何を思っていたのだろうか。きっと彼にとって俗世は馴染み難い汚れた世界だったのだろう。だから軍務ではなく、研究や文学に没頭していた。そして自らの理想が叶えられる（と思い込んだ）何もない砂漠に清潔さを見出したのかもしれない。しかし、この砂漠こそが国同士、部族同士の思惑と欲がぶつかりあう場所だった。それに気付いた時、ロレンスは一気に現実に引きずり降ろされる。それを文字通り、ロレンスの精神と体を汚すことで表現する所が素晴らしいです。
何回も観てますが、これからも観返したい作品の一つです。
