ポルりん

四谷怪談 お岩の亡霊のポルりんのレビュー・感想・評価

四谷怪談 お岩の亡霊(1969年製作の映画)
3.4
「仮面ライダー」でお馴染みのおやっさん(立花藤兵衛)がお岩さんの妹を強姦しようとした所、返り討ちにあって斬り殺された話。

あらすじ

遠州相楽藩士四谷左門の娘、お岩とお袖は藩の相楽藩の没藩後、不幸の極みに。
婚約者と生き別れたお袖は、老父を支えるため体を売り、お岩は同藩の民谷伊右衛門と所帯を持ったものの、江戸で惨めな浪人生活を送っていた。

「仮面ライダー」でお馴染みのおやっさんが「四谷怪談」でゴミを演じているとの情報を得たので鑑賞した。
あの人の良さが滲み出てるおやっさんがどんなゴミを演じるか楽しみにしていたが、人の良さを殺し、殺人・強姦未遂・殺人未遂とかなりのゴミを演じ切っていた。

ただ、確かにゴミを演じてはいたものの、日本語が話せる生ゴミこと伊右衛門の方が比較にならない程の鬼畜外道だったので、おやっさんが犯した罪がそこまで大した事のないように錯覚してしまう。

一応、本作で伊右衛門が犯した罪を列挙すると、

・10人以上を殺人(その中に妻、赤ちゃん、お義父さん、親想いの青年などがいる)
・死体遺棄(妻と親想いの青年を川に投げ捨てる。赤ちゃんは池の近くに埋める)
・恐喝(人の弱みにつけ込み、妻を襲えと命令)
・暴行、傷害(妻を蹴り飛ばしたり、生爪を剥いたり、毒物を飲ませるなど)
・暴言(自分の妻に水商売を強要)
・名誉毀損(主に妻と親想いの青年)
・不法侵入、器物破損(勝手に神社に忍び込み、障子や扉などを破壊する)
・不貞

など、精神に異常があるとしか思えない程のゴミっぷりを見せている。
良くもまあ90分の間にこれだけの罪を犯せたものだ。

昔、友達が「スクールデイズ」を鑑賞後、息を吐く様に、

友達「誠死ね( *`ω´)」

と連呼してたが、本作の伊右衛門の方が比べ物にならないくらい最低だと思うのだが・・・。

終始、伊右衛門のゴミっぷりが目に付くのだが、作品の質としてはなかなかに良質であり、脚本は多少アレンジしてはいるもののオリジナルに近い。
また、アレンジ部分もオリジナルを上手く活かしている。

他にも、演出、ライティング、フレーミング、メイクが非常に良い。
特にメイクは本当にレベルが高く、鳥肌が立つほど恐ろしいものとなっている。
何年か前に「喰女-クイメ-」という「四谷怪談」もどきが上映されたが、それとは比較にならない程良い。
(因みに一番好きなお岩さんのメイクは「日本怪談劇場」)
ただ、亡霊のメイクは完璧に近いものの、刀で切れた部分が血のりを付けただけだったりと少々適当に感じる部分も見受けられる。
傷口を上手く表現出来ないのであれば、演技やカメラアングルで幾らでも誤魔化せるのに勿体ない・・・。

演技も基本的には上手いのだが、壁に刀が刺さっている所にワザとらしく刺されに行ったりと色々不自然としか思えない部分が多く見られた。

少々残念に思う部分はあるものの、全体的にレベルの高い作品に仕上がっているので、最近のJホラーに飽きてる人や「四谷怪談」を観たことがないホラー好きにはオススメ出来る作品である。
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