このレビューはネタバレを含みます
これはダメだ。もちろん良い意味で。最高に癖(へき)に刺さり過ぎた。女性差別と暴力の残る時代を舞台にジュヨン(パク・スヨン)と少年院帰りのイェジ(イ・ユミ)の二人の少女の友情と同性愛の青春ストーリーを軸に、部員からのイジメ、コーチからの性的暴行まで絡んでくる。同じ屋根の下で暮らし、同じベッドで眠る二人の姿にぽかぽかした気持ちになる前半。窓際で並んでペディキュアを塗って終末について語り合う並ぶ二人はなんて愛おしいのだろう。そして容赦なく降りかかる暴力描写の数々に誰かが命を落とすのではと心中穏やかでいられない緊張感がずっと漂う鬱展開になる後半へとこちらの感情は大きく揺さぶられる。学校や警察が女性を守ってくれない時代の中で藻掻きながら生きる少女たちの目線から見た当時の社会は想像しただけで胸が苦しくなるけれど「2025年劇場で観なかったら後悔するランキング」の1位は確定かと。
まず、テコンドーに打ち込むジュヨンを演じるパク・スヨンが山田杏奈に激似で驚きつつ、日本ではあまり馴染みのないスポーツをする傷だらけの姿に惚れてしまった。そして、パトカーのおもちゃを持ってサイレンと共に助けに現れるもう一人の主人公である少年院帰りの少女イェジもパク・スヨンと別のベクトルの可愛さで魅力的。そんな彼女の保護者であるおばさんはバックボーンが詳しく語られないのだが、過保護なジュヨンの母親とは対照的に彼女たちの良き理解者となっていく。同性愛の匂わせからイェジたちと同じマイノリティだからこそ通じ合えたのだとわかる。
余談だが、奇遇にも川崎の映画館チネチッタで中古パンフレットが売っており、『ひらいて』(2021)をゲットしたのは本当に偶然。そういえば、なんで本作はパンフレットの制作されてないのー(泣)